一人行政書士のタイムマネジメント術:1日の時間の使い方

一人事務所(ひとり行政書士)は「営業・受任・書類作成・顧客対応・経理・郵送」まで全部ひとりで回す必要があるため、時間管理(タイムマネジメント)=品質と売上を守る仕組みになります。
ここでは、一般の方にも分かる言葉で、ルーティン化・時間ブロック・タスク管理ツールを使って“毎日ブレにくい1日”を作る方法をまとめます。

目次

まず結論:一人事務所は「時間を3種類」に分けると回り出す

一人行政書士の時間は、性質が違う作業が混ざるほど崩れます。
そこで、1日を次の3種類に分けて固定します。

  • 深い作業(集中が必要):書類作成、契約書作成、申請書の整合チェック、理由書・経緯書、調査整理
  • 浅い作業(短時間で回せる):メール返信、電話折返し、進捗連絡、予約調整、請求書発行、スキャン・整理
  • 外向き作業(売上の種まき):問い合わせ導線改善、ブログ更新、既存客フォロー、紹介依頼、提携先対応

ポイントは、混ぜないことです。
「深い作業の最中に電話→ついでにメール→見積→戻ったら集中が切れて品質低下」が典型的な崩れ方です。

運用ルール(これだけで効果が出やすい)
  • 連絡(電話・メール・チャット)に対応する時間を1日2回に固定
  • 書類作成は午前に寄せる(一般に午前の方が集中を作りやすい)
  • 営業・発信は毎日15分でも“必ず枠を確保”(ゼロにしない)

1日のモデル例:時間ブロックで「崩れても戻れる」設計にする

時間ブロックとは、カレンダー上で「この時間はこの種類の仕事」と枠を先に確保する考え方です。
ポイントは、予定通りにいかない前提で、回復用のバッファ(予備枠)を入れておくことです。

モデルスケジュール(在宅・外出混在でも使える)

  • 09:00–09:20 今日の確認(タスク棚卸し・優先順位)
  • 09:20–11:30 深い作業①(申請書・契約書・調査整理)
  • 11:30–12:00 連絡枠①(メール返信・折返し・進捗連絡)
  • 13:00–14:30 深い作業②(午前の続き/難所だけ処理)
  • 14:30–15:00 浅い作業(請求・ファイリング・郵送準備)
  • 15:00–15:20 営業・発信(ブログ下書き、導線改善、紹介先へ一言)
  • 15:20–16:10 バッファ(予定のズレ吸収・急ぎ対応)
  • 16:10–16:40 連絡枠②(夕方の返信・翌日調整)
  • 16:40–17:00 明日の準備(タスク整理・資料の先出し)

うまく回す小技(確実性が高い工夫)

  • 連絡は“まとめて返す”即レスより、誤解のない返答と記録が大事(行政手続は特に)
  • バッファは最初から確保:急な電話・補正・追加資料は必ず出る前提で設計
  • 深い作業は“分割”90〜120分単位に区切ると品質が落ちにくい

タスク管理は「脳から外に出す」:Notion等のツールで案件が増えても崩れない

一人行政書士が忙しくなるほど、頭の中は「未完了の案件」で埋まり、判断が鈍ります。
そこで、タスクは必ず外部(ツール)に置き、脳は判断と文章に使うのが基本です。

最小構成(これだけで十分回る)

  • 案件ボード(案件ごとの進捗):新規/受任中/依頼者待ち/提出待ち/完了
  • チェックリスト(案件テンプレ):必要書類・作成物・期限・連絡履歴
  • 今日やること(上限3つ):重要タスクを絞る(やることが多い日の“事故”を防ぐ)

運用ルーティン(1日合計30分で維持)

  • 朝:10分(今日の上位3つ決める)
  • 昼:5分(遅れ・依頼者待ちの確認)
  • 夕:15分(明日の準備、連絡漏れ確認、提出物の最終確認)

時間管理を助ける「ツール・学び」の例

  • スマートウォッチ(例:Garmin Venu 2 Plus/Android・iOS対応)
    → カレンダー通知・タイマー・歩行や休憩のリマインドで、“連絡枠以外は見ない”運用が作りやすい
  • 書籍:Notion なんでも事典
    → Notion等のタスク管理ツールを、案件ボードやテンプレに落とし込む際の辞書的な参考に
  • 書籍:脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術
    → 集中・休憩・意思決定の考え方を学び、午前の深い作業を守るための背景理解に役立つ

道具は“買うこと”が目的ではなく、ルールを守るための補助輪として考えると失敗しにくいです。

継続のコツ:崩れた日の“復帰手順”を決めておく

完璧な日を作るより、崩れても戻れる仕組みが重要です。
次の復帰手順を決めておくと、翌日に影響が残りにくくなります。

復帰手順(3ステップ)

  1. 「依頼者待ち」と「期限が近いもの」だけ拾う(全タスクを見ない)
  2. 深い作業を90分だけ確保(まず品質を回復)
  3. 連絡枠を2回だけ作る(散発対応を止める)

よくある失敗と対策(確実性の高いもの)

  • 失敗:電話で1日が溶ける
    → 対策:折返し時間を宣言(例「〇時までに折返します」)
  • 失敗:案件ごとの抜け漏れ
    → 対策:案件テンプレのチェックリスト化(毎回同じ型)
  • 失敗:営業がゼロになる
    → 対策:15分だけ固定枠(ブログ修正・導線改善・既存客フォローのどれか)


行政書士ツールラボ

時間管理の道具や本は、購入より「続ける仕組み作り」が本質です。合うものを少しずつ試して、無理なく業務品質を守りましょう。

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この記事を書いた人

地方在住の行政書士。令和4年の開業以来、事業者・不動産関連の許可申請を中心に、年間150件以上の案件に対応。ひとり事務所ながら、スピードと信頼性を両立した実務力で、地域の信頼を獲得。
「行政書士|ツールラボ」監修

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