行政書士として開業してから3年以内は、売上よりも「継続できる型」を作れるかどうかで、その後が大きく変わります。この記事では、開業初期にやって正解だった施策と、思い切ってやめて正解だった習慣を、一般の方にも分かる言葉で整理します。
目次
開業3年以内に「やってよかったこと」7選(再現性が高い順)
取扱業務を“広げすぎない”で、入口を絞った
「何でもやります」は最初は安心に見えますが、導線が散って問い合わせが弱くなりがちです。
- 入口(例):建設業許可、産廃、農地、不動産、内容証明など
- 受任後:関連業務へ“横展開”する(変更届、更新、顧問、周辺許認可 など)
ホームページを「名刺」ではなく「営業担当」にした
行政書士の集客は、紹介・検索・比較で発生します。
HPは最低限、次の要素があると反応が出やすいです。
- 誰のどんな悩みを解決するか(対象・地域・業務)
- 料金の目安(報酬表)と追加費用の考え方
- 手続きの流れ(問い合わせ→見積→受任→着手→完了)
- 必要書類の例、よくある質問(FAQ)
報酬表を作って“値下げ交渉の土俵”を減らした
価格は「高い/安い」より、根拠が説明できるかが重要です。
- 作業範囲(何を含む/含まない)
- 変動要因(難易度、件数、現地調査、緊急対応)
- 追加業務は別見積(トラブル防止の最重要ポイント)
見積・ヒアリングをテンプレ化して、判断疲れを減らした
開業初期は“毎回ゼロから考える”と消耗します。
- ヒアリング項目(目的、期限、現状、相手方、資料の有無)
- 見積の定型文(概算・別見積・不許可リスク・前提条件)
- 受任可否の基準(期限が極端、資料が出ない、説明が曖昧等)
時間管理を「気合」ではなく“ブロック化”にした
- 午前:申請書作成など“重い仕事”
- 午後:連絡・軽作業・請求など“軽い仕事”
- 夕方:明日の準備(10分でも翌日が変わります)
ツールは“増やす”より“使い切る”に寄せた(Notion等)
タスク・案件・テンプレ・チェックリストを一元化すると、属人化が減ります。
- 案件ボード(進捗:相談→見積→受任→作成→提出→完了)
- 定型文(メール、見積注記、必要書類依頼)
- チェックリスト(申請書のダブルチェック項目)
「実績」より先に「信頼」を積み上げた
- 返信の早さ(即答でなく“いつまでに返すか”を返す)
- できないことを明確化(業際・期限・資料不足など)
- 途中経過の共有(提出予定日、差戻しリスクの説明)
開業3年以内に「やめてよかったこと」7選(事故防止の観点)
無料相談の“延長戦”
無料の範囲を決めずに長引くと、時間が溶けて売上も残りません。
- 無料は“入口の整理”まで
- 個別判断・書類作成は見積へ移行
何でも即レス(その場で結論を出す癖)
即レスは大事ですが、即断は危険です。
「確認して○時までに回答します」で十分に信頼は上がります。
低単価案件の積み上げ
件数が増えるほど忙しくなるのに、利益が残りにくい形は早めに見直しが必要です。
- 値上げか、作業範囲の調整か、受任基準の設定へ
“完璧な準備”ができるまで発信しない
開業初期は、100点の発信より60点を継続の方が成果が出やすいです。
(継続記事→FAQ→問い合わせ導線の順で整える)
紙とデータの二重管理
どこが最新版か分からなくなり、ミスの原因になります。
- 原本:保管ルール
- 作業:データを正(ファイル名・版管理)
同業比較で疲弊する習慣
比較は必要ですが、やり方を誤るとメンタルと意思決定が削られます。
- 比較するのは“施策”だけ(人格・売上ではなく)
“やらない仕事”を決めないこと
断る基準がないと、炎上案件を拾いやすいです。
- 期限が極端/資料が出ない/説明が一貫しない/相手が高圧的 などは基準化推奨
3年で効いた「仕組み化」チェックリスト(この順で整える)
- 集客(入口)
-
- 取扱業務の絞り込み
- 検索される記事(許可要件・必要書類・期間)
- 料金の考え方
- 受任(入口の次)
-
- ヒアリングシート
- 見積テンプレ
- 受任基準(断る基準)
- 作業(品質)
-
- 申請書チェック項目
- 添付書類の一覧化/版管理(最新版ルール)
- 納品・請求(回収)
-
- 完了報告テンプレ
- 請求タイミング/入金確認ルール
- 改善(伸びる人の共通点)
-
- 月1回だけ振り返り(何が儲かったか・何が疲れたか・何をやめるか)
まとめ:開業初期は「伸ばす」より先に「減らす」と強くなる
- やること:入口を絞る/テンプレ化/HPを営業担当にする
- やめること:無料の延長戦/即断/低単価の積み上げ/二重管理
この“型”ができると、忙しさの割に利益が残らない状態から抜けやすくなります。
あわせて読みたい


行政書士開業ロードマップ:独立1年目の全体像
※本記事は「一般的に確実性の高い実務の順序」をまとめたものです。細部(提出先、必要書類、会費など)は所属する都道府県行政書士会(単位会)で異なるため、最終確認…
あわせて読みたい


一人行政書士のタイムマネジメント術:1日の時間の使い方
一人事務所(ひとり行政書士)は「営業・受任・書類作成・顧客対応・経理・郵送」まで全部ひとりで回す必要があるため、時間管理(タイムマネジメント)=品質と売上を…
行政書士ツールラボ不安な時ほど、良書を一冊ずつ読み、今日の行動に落とすだけで十分前に進めます。












