PDF圧縮・画像最適化の実務|電子申請の容量制限に通すコツ

目次

結論(30秒)

  • PDFは“作る前”に軽く:スキャン設定(解像度/DPI・カラーモード・圧縮方式)で7割決まる。
  • 作った後は“最適化”で仕上げ:フォントのサブセット化/画像ダウンサンプリング/不要メタ削除。
  • 送れないときは“共有リンク”:メール添付が落ちるなら、安全なクラウドリンクで提出先に共有。
私も許可申請で申請先の担当者へ直接メールを送ることがありますが、相手方サーバーの容量制限で弾かれることがしばしばあります。

まず押さえる“容量の壁”

  • 役所の電子申請:1ファイル10~20MB程度の制限が多い(上限は要確認)。
  • メールサーバー:受信側が10~25MBで拒否することがある。
  • 画像だらけのPDFは100MB超になりがち → スキャン設定+最適化で落とす。

提出物は可読性が最優先。 文字が潰れるほどの圧縮はNG。解像度の下限白黒/グレースケールの切替で“読める最軽量”を狙う。

1. スキャン段階で“軽く作る”設定(最重要)

解像度(DPI)の目安

  • モノクロ文書(活字中心):200~300dpi
  • 印影・朱書きあり/細かい記載:300dpi固定
  • 写真・図面:300dpi(必要なら600dpi、ただし容量増)

カラーモード

  • 白黒(2値/JBIG2/CCITT):最軽量。活字中心向け
  • グレースケール:写真少なめの文書
  • カラー(JPEG):写真・色分けが重要な書類のみ

圧縮方式(推奨)

  • 白黒JBIG2またはCCITT G4
  • グレー/カラーJPEG(中~高圧縮)またはJPEG2000(対応環境なら)

最軽量の定番白黒 300dpi + JBIG2写真ありグレー/カラー 300dpi + JPEG(中)
連続原稿ADFで取り込み→裏写り除去/傾き補正/OCRをON。

2. 作成後のPDF“最適化”チェックリスト

  • 画像のダウンサンプリング(例:450dpi→300dpi)
  • フォントのサブセット化(未使用グリフ削除)
  • 透明効果のフラット化(複雑な重ね合わせを簡略化)
  • しおり/サムネイル/未使用メタデータ削除
  • 埋め込みファイル/注釈の整理(不要なら除去)
  • OCRの後入れ(画像PDFは検索可能化して可読性UP)

3. どうしても落ちない時の“3手順”

  1. 分割:章ごと/別紙ごとに分ける(目次表紙に「分割送付」を明記)
  2. 差し替え:写真ページだけグレー/低解像度で再取込
  3. 共有リンク:添付が弾かれる → 安全な共有リンクで送付
ファイルリクエスト機能を使えば、依頼者から大容量ファイルを安全に回収できます(提出先がメールNGな時の代替にも)。

4. 画像最適化の実務(写真・図面ページ)

  • サイズ:A4基準で長辺2000px前後にリサイズ
  • 保存形式
    • 写真=JPEG(品質60~80%)
    • 図面/ロゴ=PNG(可逆) → PDFへ貼り込み後に最適化
  • 色空間:sRGBで統一(環境差による色ズレ抑制)
  • ノイズ除去/トーン補正:過度にかけない(細部が潰れる)
  • スマホ写真の生データをそのままPDF → 容量爆増
  • スクショをPDFに貼付しまくる → 解像度バラバラで読みにくい
  • 写真ページを白黒2値化 → 朱印・網掛けが潰れる

5. 品質を守る“見た目チェック”

  • 1枚目で判定:表紙/概要ページは300dpiカラーで見やすく
  • 印影・朱書き:拡大100~150%でにじみ/潰れがないか確認
  • OCR:検索で氏名/日付がヒットするか
  • ファイル名yyyy-mm-dd_案件名_版号v1.pdf(差し替え時はv2

6. トラブル時の原因切り分け

  • “壊れているPDFです”:作成アプリの差・透過/フォント問題 → 透明フラット化再保存
  • 画像がザラつくダウンサンプリング強すぎ → 300dpiへ戻す
  • メールが返ってくる:受信側上限/セキュリティ → クラウド共有に切替
  • 容量が減らない写真だらけ → 元画像をリサイズ/圧縮して貼り直す

7. ワークフロー

  1. スキャン設定(DPI/モード)を決めてPDF化
  2. 画像ページは別途リサイズ→貼り直し
  3. PDF最適化:画像ダウンサンプル/フォントサブセット/メタ削除
  4. 容量確認 → NGなら分割
  5. 送付:メール添付 or 共有リンク
  6. 受領確認→リンク無効化バージョン履歴で事故リカバリに備える
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この記事を書いた人

地方在住の行政書士として、事業者や不動産関連の許可申請を主軸に活動。3年間でサラリーマン時代の年収を3倍にまで引き上げることに成功。
「行政書士|ツールラボ」管理・運営。

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