印刷コスト、特にインク・トナー代は事務所運営で見過ごされがちな支出です。
しかし、「設定を変えるだけ」で年間コストを大きく抑えることができます。
この記事では、行政書士など事務用途を想定しつつ、誰でも実践できる印刷設定テクニックをまとめました。


インク/トナー節約の基本原則
- インク/トナー代は「印字面積 × 使用頻度 × クリーニング回数」によって左右されます。
- 印刷する「内容(全面カラー/文字中心/罫線中心など)」に応じて設定を変えるのが基本。
- ドライバー側・プリンターモード側で「節約モード(トナーセーブ/インクセーブ)」の設定を使う機種が多く、これを活用することで無駄な消耗を抑えられます。
- メーカーが公称する節約モード使用時の注意として、「印刷品質が若干落ちる」ことを覚悟する必要があります。
印刷品質設定での節約テクニック
- 多くのプリンタードライバーで「きれい/標準/高速(ドラフト)」など品質モードが選べます。
→ 普段使いは「標準」や「エコノミー/節約モード」にするだけでインク消費を抑制できます。 - 「モード設定 → 詳細設定 → エコノミー」など、濃度や明度を調整できる設定がある機種もあります。
設定を極端に薄めると文字が読みづらくなる可能性があるため、用途(校正用/最終配布用)で使い分けるとよいです。
両面印刷・割り付け印刷で用紙+インク節約
- 両面印刷
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1枚の用紙に両面印刷すれば、用紙代が半減。印刷設定で「両面(自動・手動)」を選択。
- 割り付け印刷
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1枚の用紙に複数ページ(例 2面、4面など)を配置して印刷する設定。
→ 確認用資料や草稿などでは十分実用的。
モノクロ・グレースケール印刷の活用
カラー印刷が不要な文書は、モノクロ印刷(またはグレースケール印刷)に設定を切り替えるだけでカラーインクの消費をゼロに近づけられます。
印刷頻度・クリーニング管理・電源制御による節約
- ヘッドクリーニング消費抑制
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クリーニングやメンテナンス時にインクを多く消費するため、無駄なクリーニングは避けたい。ただし必要なクリーニングを怠るとノズル詰まりが起き、余計なコストになる。
- 印刷頻度を一定化
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長期間印刷しないとインクが乾燥・詰まりリスクが高まる。定期的に簡易出力を入れる。
- 電源制御の注意
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頻繁に電源をON/OFFすると、起動時のクリーニング動作で余分なインクを消費することがある。連続待機モードを活用する。
- 印刷をまとめて実行
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小刻みに印刷を頻繁に動かすより、ある程度まとめて印刷をする方が無駄動作を減らせる。
チェックリスト/印刷設定まとめ
| 設定項目 | 推奨設定/工夫 | 効果 |
|---|---|---|
| 印刷品質モード | 標準/節約モードに設定 | インク・トナー消費を抑える |
| トナーセーブ/インクセーブ | 有効化 | 印字濃度を抑える |
| 両面印刷 | 常時オン | 用紙代削減 |
| 割り付け印刷 | 2面/4面設定 | 用紙代・インク代双方削減 |
| モノクロ印刷 | デフォルトをモノクロに | カラーインクを使わずに済む |
| 印刷頻度 | 定期的に出力 | ノズル詰まり予防 |
| 電源制御 | 常時ONまたはスリープ待機 | 起動クリーニング消費を抑制 |
| まとめ印刷 | 小出しよりまとめて印刷 | 無駄なオン/オフを減らす |
推奨機種例(節約モード/設定項目が使いやすいもの)
以下は、設定項目(節約モード、両面印刷、割り付け印刷、電源待機制御など)が評価されているプリンター例です(2025年時点)。
- Canon PIXUS TS3730
A4複合機。比較的安価で基本機能が揃っており、印刷設定の切り替えも分かりやすいモデル。 - Epson Colorio EW-056A
カラープリント対応。満足度も高く、印刷モード切替設定がドライバーで使いやすいとの評価あり。 - Brother HL-L2400D
モノクロレーザー機。カラーモードがない前提のため、モノクロ印刷が主用途ならコスト効率◎。
※ 上記機種はあくまで例です。導入時には仕様や最新レビューを確認してください。

印刷コストを大きく抑えるためには、設定を賢く使い分けることが肝心です。
単純な節約モードだけでなく、両面印刷・割り付け・モノクロ設定・電源制御など複数技を組み合わせることで、年間コストを半分にすることも可能です。
行政書士業務や文書出力が多い方ほど、こうした工夫がトータルコストに大きく効いてきますので、ぜひ試してみてください。













