廃棄の実務フロー|保存年限→スキャン→裁断の“迷わない”運用ルール

行政書士業務では、保存年限が経過した書類をどのように処理するかが大きな課題です。
本記事では、保存年限の考え方→電子化→裁断・廃棄までを一連のルーティンとして整理。
日常業務の中で「迷わない廃棄」を実現するための仕組みづくりを紹介します。

目次

保存年限の考え方:法令+実務基準で線を引く

書類の保存年限は、根拠法と実務リスクの双方から判断する必要があります。
特に行政書士事務所では「依頼者情報」と「行政手続記録」を分けて考えるのが基本です。

書類種別保存年限の目安根拠/備考
受任書・契約書5年行政書士法施行規則第18条
報酬請求書・領収書7年所得税法・法人税法の帳簿保存義務
許認可申請副本・添付資料5年~10年許可行政庁の指示による(業種別)
マイナンバー関連書類利用目的達成後速やかに廃棄マイナンバー法第19条

「最長基準で揃える」ことで迷いをなくす(例:一律7年保存ルール)。
電子化後も原本の保存義務があるもの(例:契約書の原本保管)に注意。


スキャンと電子保存:ファイル名・フォルダ構成をテンプレ化

スキャンの目的は「再検索性を確保すること」。
スキャン後に探せない状態では、電子保存の意味がありません。

おすすめの命名ルール

YYYYMMDD_案件名_書類名.pdf
例:20251105_建設業許可_申請副本.pdf

フォルダ構成例
  • 01_顧客情報
    • 法人名/個人名
    • 案件フォルダ
  • 02_行政手続書類
    • 許認可
    • 届出・報告
  • 99_保存満了(廃棄予定)

フォルダ名・ファイル名は全角スペース禁止
クラウド保存(Google Drive, OneDrive)は「共有設定」を年度で制御。
スキャン時はPDF/A形式(改ざん防止用)で保存が望ましい。


裁断・廃棄の運用フロー:安全と効率を両立

書類を裁断する際は「保存満了日から一定期間を経過してから廃棄」するルールを設定しておくと安全です。

工程内容担当記録方法
① 廃棄候補抽出保存年限を満たした書類を
「廃棄予定フォルダ」に移動
担当者A管理表自動更新(Excel)
② 廃棄承認管理者が確認し、廃棄対象を確定管理者B日付+承認印
③ スキャン済確認データの有無・閲覧可否を再確認担当者Aチェック欄記入
④ 裁断・細断処理マイクロカットで細断担当者Aシュレッダー記録
⑤ 廃棄記録保存「廃棄日」「担当」「数量」を残す管理者B廃棄証跡ファイル保存
おすすめツール
  • シュレッダー:アイリスオーヤマ P4HS75M-W(静音・マイクロカット)
  • 記録テンプレート:Googleスプレッドシート+日付関数
  • ファイル共有:Google Drive「完了」フォルダ

行政書士

「いつか廃棄しよう」と積み上がるファイル棚に悩まされていました。
毎月第1週を「スキャン+裁断デー」と定めたところ、半年で棚占有率が半減。
探す時間も大幅に減り、1件あたりの書類検索時間が3分→30秒に短縮。

廃棄作業を「イベント」ではなく「ルーティン」に変える。


まとめ|“廃棄の仕組み化”が信頼される事務所をつくる

行政書士事務所での紙管理は「保存義務」と「廃棄リスク」のバランスが重要です。
保存年限・スキャン命名・裁断ルールを決めておくことで、
日々の業務に迷いがなくなり、顧客情報の信頼性も高まります。

今日から始める3ステップ
  • スプレッドシートに保存年限・廃棄予定日を登録
  • スキャン命名テンプレを統一
  • 毎月1回、裁断・廃棄をルーティン化

「探さない・迷わない・残さない」
この3つが、効率的な行政書士業務の基本です。

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この記事を書いた人

地方在住の行政書士。令和4年の開業以来、事業者・不動産関連の許可申請を中心に、年間150件以上の案件に対応。ひとり事務所ながら、スピードと信頼性を両立した実務力で、地域の信頼を獲得。
「行政書士|ツールラボ」監修

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