小さな会社のリスク管理:契約・保険・BCPの基本(スモールビジネス向け)

目次

まず押さえる「リスク管理の全体像」チェックリスト

小さな会社のリスク管理は、難しい制度設計から始めるよりも「最低限の土台」を作る方が効果的です。

特に抜けやすいのが、以下のの4点です。
  • 契約(ルール
  • 保険(資金
  • BCP(止めない仕組み
  • データ(守る仕組み)
最低限チェックリスト(優先順)
  • 取引の入口:見積・発注・検収・支払条件が契約で明確か
  • 事故・賠償:損害賠償の上限、免責、責任範囲が過大になっていないか
  • 人と情報:秘密保持(NDA)・個人情報・再委託・持ち出しルールがあるか
  • お金の備え:必要最小限の保険(賠償・休業・サイバー等)を棚卸ししたか
  • 止まる原因:停電・感染症・自然災害・主要メンバー不在時の代替手段があるか
  • データ:バックアップ(ローカル+クラウド)と復旧手順が決まっているか

契約で守る(トラブルの“芽”を先に摘む)

契約は「裁判のため」ではなく、揉めないための取扱説明書です。
小さな会社ほど、担当者の入れ替わり・口約束・認識違いが原因で損失が出ます。

契約で最低限入れておきたいポイント
  • 業務範囲:何をやる/やらない(追加作業は別見積)
  • 納期・検収:いつまでに、何をもって完了か(検収期限・修正回数)
  • 報酬・支払条件:支払日、遅延損害金、前金・分割の扱い
  • 損害賠償・責任制限:上限(例:受領額まで等)、間接損害の除外
  • 秘密保持(NDA):守る情報、例外、期間、返還・削除
  • 再委託:再委託の可否、責任の所在、事前承諾
  • 解除・中途解約:解除事由、精算方法、成果物の扱い

「契約書がない」「ひな形のまま」「取引先の契約書にそのまま押印」は、事故の入口になりやすいです。


保険は「全部入り」より“穴を塞ぐ”発想で選ぶ

保険は“安心”のためだけでなく、キャッシュが詰む瞬間を回避する道具です。
重要なのは「自社に起きたら致命傷になる穴」を塞ぐことです。

小さな会社が検討しやすい代表例(考え方)
  • 賠償系:対外的な事故・損害(納品物の不具合、施設事故、業務中のミス等)
  • 休業系:火災・災害等で売上が止まる(固定費が払えない)
  • サイバー系:情報漏えい、ランサムウェア、復旧費用、対外対応費用
  • 事業用資産:PC・機器・設備の故障や盗難など(特約の有無も確認)

「保険で全部カバー」ではなく、免責・支払限度・対象外を読んで“穴”を確認するのが実務的です。
※保険の具体的な商品選定・加入判断は、保険代理店等の専門家と要件整理して行うのが安全です。


BCPとデータバックアップ(止めない・失わない)

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、立派な冊子よりも「止まったときの行動が決まっている」ことが重要です。特に小さな会社では、データが消える=事業が止まるになりがちです。

STEP
BCPはこの3点から
  1. 優先業務を決める(止められない業務:請求、入金、顧客対応、申請期限など)
  2. 代替手段を用意する(代替担当・連絡手段・在宅手段・紙運用の一時措置)
  3. 復旧目標を決める(いつまでに最低限ここまで戻す、の基準)
STEP
データバックアップの現実解:ローカル+クラウド
  • ローカル:外付けHDD等に定期バックアップ(PC故障・誤削除に強い)
  • クラウド:Dropbox等で同期+履歴管理(端末紛失・複数拠点・共有に強い)
STEP
ローカルバックアップ

外付けHDDは「PCとは別の場所に保存できる」ことが最大の価値です。CMR方式のHDDや、故障予測・健康状態通知(みまもり機能)のような仕組みがあると、**“壊れてから気づく”**を減らしやすくなります。

STEP
クラウドバックアップ

Dropboxのようなクラウドストレージは、世代管理(過去版)や復旧がしやすく、誤削除・上書きのリスク低減に役立ちます(運用ルールと権限設定が重要)。

バックアップは「取っているつもり」が最も危険です。復旧テスト(戻せるか)を月1回でも実施すると、BCPの実効性が上がります。



行政書士ツールラボ

リスク対策は完璧より「続けられる仕組み」が大切です。契約・保険・バックアップから、できる所を一緒に整えましょう。

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この記事を書いた人

地方在住の行政書士。令和4年の開業以来、事業者・不動産関連の許可申請を中心に、年間150件以上の案件に対応。ひとり事務所ながら、スピードと信頼性を両立した実務力で、地域の信頼を獲得。
「行政書士|ツールラボ」監修

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