行政書士開業ロードマップ:独立1年目の全体像

※本記事は「一般的に確実性の高い実務の順序」をまとめたものです。細部(提出先、必要書類、会費など)は所属する都道府県行政書士会(単位会)で異なるため、最終確認は必ず各会の案内で行ってください。
※税務(確定申告の最適化等)は税理士領域になる場合があります。ここでは「期限・手続の一般情報」に留めます。

目次

0〜1か月目:法令・事務所・お金の「土台」を固める(最優先)

0〜2週:開業の“最低限”を一気に整える

  • 事務所要件の確認
    • 行政書士は、事務所に「行政書士の事務所であることを明らかにした表札」を掲示する義務があります。
  • 職印(職務で使用する印)・事務所基本セット
    • 名刺/封筒/請求書様式/委任状ひな型/業務委託契約(外注する場合)
  • 受任の導線を1つ作る(最初は絞る)
    • 例:Webフォーム(問い合わせ)→ 自動返信 → 初回ヒアリング日程調整 → 見積 → 受任
  • 会計の“記録”だけ開始(最初から完璧を目指さない)
    • 売上・経費・領収書の保存ルールを決め、毎週30分で更新する運用にする(後から整える前提)

3〜4週:行政書士としてのコンプライアンス運用を型化する

  • 職務上請求書(戸籍・住民票等の請求に使う専用用紙)の取扱いルールを決める
    • 取得した戸籍等は「職務上必要な場合を除き、譲渡・閲覧・複写・貸与をしてはならない」等、厳格な取扱いが求められます(適正使用・管理が前提)。 日本行政書士会連合会
  • 個人情報の取扱い(最低限の掲示・説明)
    • 依頼者の本人確認、書類の保管・廃棄、メール添付の運用(パスワード別送等)を決める

2〜3か月目:売上を作る「商品設計」と「見積の型」を完成させる

この時期のゴール

「何を、いくらで、どの範囲までやるか」が明文化され、見積→受任→納品が迷わず回る状態

やること(時系列)

  • 取扱業務を“最大2〜3本”に絞って商品化(例:建設業許可/産廃収集運搬/農地法/相続関連など)
    • “業務範囲”が読者に伝わるように、各サービスで「対象」「必要書類」「期間の目安」「費用の内訳(報酬・実費)」をテンプレ化
  • 料金表と見積書テンプレを作る
    • 追加費用が発生しやすい条件(補正回数、現地調査、緊急対応、郵送費等)を“先に”書いてトラブル予防
  • 業務フローを標準化(チェックリスト化)
    • ヒアリング項目 → 必要書類一覧 → 申請前チェック → 提出後フォロー
  • 初回相談の型(30〜45分)を作る
    • 「依頼者の目的」「期限」「前提事実」「リスク」「次のアクション」を必ずメモ化
    • 迷ったら“受任しない基準”(違法・不正を助長する依頼等)も運用に入れる。

4〜6か月目:集客を“運任せ”から“仕組み”に変える(HP・SEO・紹介導線)

この時期のゴール

問い合わせが「たまたま来る」状態から、毎月の投稿・導線・紹介で安定的に発生する状態へ。

やること(時系列)

  • HP(行政書士 事務所)を“1ページ完結”で整える
    • ①取扱業務(上位2〜3本)
    • ②料金
    • ③事例(匿名)
    • ④よくある質問
    • ⑤問い合わせ
  • SEOの基本:キーワードを“意図別”に作る
    • 例:
       情報収集:行政書士 独立 1年目/行政書士 開業準備
       比較検討:行政書士 仕事の取り方/行政書士 集客/行政書士 ホームページ
       申込直前:〇〇許可 代行 料金/〇〇申請 必要書類
  • “紹介ルート”を作る(最短で効果が出やすい)
    • 司法書士、社労士、土地家屋調査士、税理士、保険代理店、不動産会社等と「相互紹介の条件」を明確化(得意領域・対応地域・連絡手段)
  • 記事は「制度解説×手続の流れ×必要書類×料金」の型で量産
    • 一般の方に向けて略語は必ず説明(例:許認可=行政の許可・認可が必要な手続)

7〜12か月目:品質と利益を安定させ、2年目に伸ばす

この時期のゴール

「忙しいのに儲からない」を避け、再現性のある売上事故が起きにくい運用を作る。

やること(時系列)

  • 月次で“数字の棚卸し”をする(30分でOK)
    • 月の売上/粗利(報酬−外注費・手数料等)/案件数問い合わせ数成約率
  • 高頻度業務から“テンプレ自動化外注化
    • 例:書類の体裁調整、画像・PDF加工、データ入力、発送作業など
  • トラブル予防の標準装備
    • 受任時:範囲・期限・費用・追加費用・キャンセル規定を明文化
    • 提出後:進捗報告の頻度(週1等)を固定
  • 来期(2年目)の戦略を1枚にまとめる
    • 伸ばす業務(上位1〜2分野)
    • 値上げ対象
    • 紹介先
    • 学ぶ分野(研修・実務)

よくある質問

開業後、税務署には何を出す?

代表例は「個人事業の開業・廃業等届出書」。国税庁の様式説明では、原則として“その年分の確定申告期限まで”に提出する取扱いが示されています。 国税庁

青色申告(節税の制度)はいつまでに申請?

国税庁案内では原則「その年の3月15日まで」、ただし1月16日以後に新規開業した場合は「開業日から2か月以内」などの期限があります。 国税庁

行政書士

開業直後は「売上を増やす」より「利益を残す」設計が重要です。会計の基本を押さえ、クラウド会計で記帳・請求・経費管理を標準化しておくと、繁忙期でも崩れにくい運営になります。

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この記事を書いた人

地方在住の行政書士。令和4年の開業以来、事業者・不動産関連の許可申請を中心に、年間150件以上の案件に対応。ひとり事務所ながら、スピードと信頼性を両立した実務力で、地域の信頼を獲得。
「行政書士|ツールラボ」監修

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