紙での申請・添付書類の電子化が続く限り、ドキュメントスキャナーの安定稼働=業務の生命線。
本記事は、重送(ダブルフィード)・紙詰まりゼロ運用をめざすための、仕組み理解・日常清掃・消耗品交換・環境管理・復旧手順を、確実性の高い方法だけに絞って解説します。
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目次
清掃頻度とクリーニング手順(最小工数で“線・スジ”ゼロ)
推奨頻度(目安)
- 毎日/開始前: 原稿揃え(さばき)、混在サイズの確認、ホチキス除去
- 毎週: 读取ガラス(スリット)と給紙・分離ローラーの乾拭き
- 大量読取の後: ADF内部とローラーの追加清掃(レシート粉・紙粉が溜まります)
公式に基づく安全な清掃手順
- 電源OFF → ADFカバーを開く
- ガラス面を柔らかい布でから拭き(汚れが強い場合は“ごく少量”のガラスクリーナーを布に含ませて使用。直接噴霧は不可)
- 給紙・分離ローラーを乾いた清潔な布で拭く(矢印方向に回しながら)
- ADF内部全体を点検し、紙粉を除去。分離パッド(分離片)には直接触れないのが安全。
湿度・紙質のリスク管理(“環境”でトラブルは激減)
- 動作環境の基本
例:Brother ADS-4700W 温度5–35℃/湿度20–80%(結露しないこと)。結露や過乾燥は反り・静電気・付着を招き、重送や斜行の原因に。 - 紙の前処理
反り・折れ・破れ・付箋・ステープル・感熱レシートの静電気に注意。原稿さばき(くさび入れ)と混在サイズの束分けで分離負荷を減らす。Brother公式の紙詰まり対処でもローラー清掃+原稿取り扱いの重要性が示されています。 - レシート・紙粉対策
レシートや薄紙は紙粉が多いため、大量スキャン後に清掃を一回挟むと安定。エプソンのADF清掃FAQも“スジ対策=ガラス・ローラー清掃”を明示。
障害時の復旧手順(“最短復帰”の標準化)
- 停止 → 原稿経路を開く(カバー解除)
- 原稿をゆっくり除去(無理に引っ張らず、ダイヤル操作や搬送レバー指示に従う)
- ガラス・ローラー清掃 → 原稿再セット(さばき直し/束分け)
- テストスキャンで“スジ/斜行/重送なし”を確認
- 再開(異常が続く場合は分離パッド/ローラー摩耗を疑い、交換へ)
日常オペの“型”
【開始前30秒チェック】
- 原稿をさばく/サイズ混在は束分け
- 付箋・クリップ・ホチキス除去
- カール大は逆反り補正
- ADFトレイ・ガイド位置をサイズに合わせる
【毎日の終了時1分清掃】
- ガラス(スリット)から拭き → ローラー乾拭き
- 紙粉が多い日は追加でADF内部を軽く清掃
- エプソンはガラス汚れ検知をオン(要ドライバー設定)
【週次5分メンテ】
- ローラー・分離パッド周辺を清掃(乾式)
- テスト原稿で斜行・スジ・重送なしを確認
- 交換カウンターと累計スキャン枚数を確認し、消耗品の在庫を一式1セットに戻す
よくある質問
- 雨の日は紙詰まりが増える?
-
湿度上昇で紙が柔らかくなり、付着・反りが増えます。原稿さばき+束分け+低速モード(対応機)で回避。
- スキャン画像に“筋(スジ)”が出る
-
ガラス汚れが主因。ガラス→ローラーの順で清掃。“直接スプレーNG/布に付けて拭く”が安全。
- 復旧後にまた詰まる
-
ローラー清掃・原稿さばきを見直し。

コピー機やスキャナが止まると仕事が止まる。清掃と消耗品の前倒し交換で“ゼロ運用”に近づきます。電子申請が進んでも紙はなくならないので、ここに投資する価値は大きいです。









