行政書士の情報共有ツール選び|スタッフと安全に連携するチャット&Dropbox運用ルール

目次

まず決めるべき「共有の設計図」:情報の種類×相手×期限

情報共有がうまくいかない原因は、ツール以前に「何を・誰に・どの粒度で・いつまで共有するか」が曖昧なことです。行政書士業務では個人情報・依頼者情報が多いので、最初に“共有の線引き”を作ると事故が激減します。

「共有する情報」を4分類
  • 連絡(短期):今日/今週の指示、確認、進捗
  • 案件資料(中期):申請書下書き、添付資料、図面、PDF
  • マニュアル(長期):手順書、テンプレ、チェックリスト
  • 機密(最重要):ID/パスワード、本人確認書類データ、委任状原本の管理情報
ツール選びの結論(おすすめの組み合わせ)
  1. 連絡はチャット(検索できる・履歴が残る・誤送信を減らせる)
  2. 案件資料はクラウドストレージ(権限管理・版管理・リンク期限)
  3. マニュアルは別に集約(例:Notion等。)
  4. 機密はチャット/共有フォルダに置かない(原則:パスワード管理ツールへ)

ツールは「家族用」と「外注用」で分けるのが安全

スタッフは長期で関わる前提、外注は案件単位・期間限定が多いので、同じツールでも権限設計が変わります。

代表ツールの使い分け(迷ったらこの型)

目的向いているツール使いどころの例注意点
連絡・相談Slack / Chatwork案件の確認、進捗、質問DM乱立は事故の元→チャンネル運用推奨
打合せ・通話Zoom依頼者/外注との打合せ録画・議事メモの保管先を決める
案件資料の保管Dropbox案件フォルダ、PDF、図面権限とリンク期限が最重要
代替(Office中心)Microsoft TeamsOffice書類中心の組織管理者設定の自由度はプラン依存
私用連絡アプリLINE原則おすすめしない私用と混ざりやすく監査性が弱い
リモート支援Chrome Remote Desktop家族PCの遠隔サポート使う場面・権限をルール化

研修コストを下げる「共通テキスト」を1冊用意

外注スタッフは“ツールの使い方が人によって違う”と手戻りが増えます。
共通の入門書を指定すると、説明コストが下がり、運用が安定します。


チャットツールの選び方:誤送信を減らす設定と運用

行政書士の情報共有は「速さ」より「正確さ」と「証跡(あとで追えること)」が重要です。
チャットは“便利”ですが、ルールがないと事故が起きます。

チャット運用の基本原則
  • 案件は“チャンネル/ルーム”に集約(DMで進めない)
  • 1メッセージ1要件(後から検索できる)
  • 添付ファイルは原則ストレージへ(チャットはリンク共有に統一)
  • 個人情報は最小限(フルネーム/住所/マイナンバー等は貼らない)

チャンネル(ルーム)命名ルール

  • #案件_YYYYMM_依頼者イニシャル_手続名(例:#案件_202602_AB_産廃収運
  • #外注_作業種別_氏名or屋号(例:#外注_図面_○○
  • #事務所_連絡(全体連絡)
  • #事務所_手順_質問(運用改善の置き場)

チャットで使う「依頼テンプレ」

  • 【依頼】やること:
  • 【案件】案件名/期限:
  • 【前提】参照フォルダ(URL/パス):
  • 【完成形】納品物(例:PDF、Word、チェック完了報告):
  • 【注意】個人情報の扱い/禁止事項:
  • 【確認】不明点はこのスレッドで質問:

共有フォルダ(クラウドストレージ)の選び方:Dropbox中心の案件フォルダ運用

クラウドストレージは“置き場”ではなく、権限管理つきの保管庫です。
特に外注と共有するなら、次の3つで事故の9割を防げます。

事故を防ぐ3点セット
  1. フォルダ権限は「人」ではなく「役割」で付ける(家族/外注/閲覧のみ等)
  2. 共有リンクは期限つき(いつまでも見られる状態を作らない)
  3. 原本フォルダと作業フォルダを分離(上書き事故を防ぐ)

案件フォルダ構成

/00_事務所共通

  • /マニュアル(外注は原則アクセス不可)
  • /テンプレ(配布用のみ)

/10_案件

  • /YYYYMM_依頼者名_手続名
    • 01_受領資料(依頼者から受け取った資料:原本扱い)
    • 02_作業中(外注も触る:編集OK)
    • 03_成果物(納品版:編集制限)
    • 90_やり取り控え(PDF化したメール等、証跡)

外注共有の鉄則

  • 外注は 02_作業中 のみ0103 は原則不可)
  • ファイル名は「日付+版+担当」で統一:20260217_v02_外注A.docx
  • 依頼者の本人確認書類などは、外注共有しない(必要なら“マスキング版”)

Dropboxを使う場合の運用イメージ

  • 共有フォルダで案件の“正本”を一元化
  • 共有リンクは期限・パスコード・閲覧のみを基本に
  • 版管理(上書き前提)より、「作業中/成果物」分離で事故を減らす

「PDFは“成果物”に固定」「作業は“作業中”で回す」


家族・外注スタッフと揉めない「情報共有ルール」チェックリスト

ツールが揃っても、最後は“運用ルール”です。
ここが弱いと「聞いてない」「どれが最新版?」が発生します。

開始前に決める10項目
  1. 共有範囲(外注に見せてよい情報/ダメな情報)
  2. 案件ごとの窓口(質問は誰に集約するか)
  3. 連絡手段(緊急=電話、通常=チャット等)
  4. 納品形式(PDF、Word、チェック報告テンプレ)
  5. 期限の持ち方(「締切」+「中間レビュー日」)
  6. フォルダ構成と命名規則(例を固定)
  7. 権限(閲覧のみ/編集可/期限付き)
  8. 端末ルール(共有PC禁止、画面ロック、紛失時連絡)
  9. アカウント管理(2FA必須、終了時は即停止)
  10. トラブル時(誤送信・誤共有の報告フロー)
“遠隔サポート”を使うならルール必須

家族PCの設定支援などでリモート接続は便利ですが、
「いつ」「誰のPCに」「何の目的で」接続するか
依頼者情報の画面を開いた状態での接続禁止
など、使いどころを明文化すると安心です。



行政書士ツールラボ

外注さんに“安全に渡せる情報”を整理できると、品質もスピードも上がります。無理なく続く形から整えましょう。

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この記事を書いた人

地方在住の行政書士。令和4年の開業以来、事業者・不動産関連の許可申請を中心に、年間150件以上の案件に対応。ひとり事務所ながら、スピードと信頼性を両立した実務力で、地域の信頼を獲得。
「行政書士|ツールラボ」監修

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