宛先不明・不在持戻り・破損といった発送トラブルは、時間とコストの両方を奪います。
本記事では、頻出ケース別の再発送判断基準・対応定型文・補償活用・梱包改善策をまとめ、再送時の損失を最小化する方法を解説します。
目次
返品・再発送コストの内訳と判断基準
再発送時の主なコスト要素
| 区分 | 内容 | 平均コスト例(参考) |
|---|---|---|
| 再送料 | レターパックプラス:600円 クリックポスト:185円 | +梱包資材を含めると約200〜800円/件 |
| 梱包材 | 封筒・緩衝材・ラベル等 | 約50〜100円/件 |
| 再印刷 | 宛名ラベル・請求書等 | 数十円+印刷手間 |
| 人件コスト | 手作業(確認・再梱包) | 5〜10分/件(1,000〜1,500円/h換算) |
判断基準の目安
- 追跡結果が「宛先不明」「不在」「破損」かで対応を分ける
- 同一宛先で2回以上返送がある場合は「本人確認必須」
- 原本書類(契約書・証明書等)は再作成・再封入時に封かん撮影を推奨
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トラブル3分類と再発送ルール
- 原因:表記ゆれ(例:○○町⇔○○丁目)、部屋番号抜け、法人名略称。
- 対処:
- 郵便番号データベースで住所確認。
- 宛名ラベルテンプレを修正・統一。
- 送付前に電話・メールで宛先確認。
- 再発送可否:宛先修正後、再送。住所未確認なら着払い不可。
再発送時に使える定型文テンプレ
① 宛先不明で返送された場合
件名:書類再送のご連絡(発送ID:{{発送ID}})
いつもお世話になっております。{{事務所名}}の{{担当者名}}です。
{{発送日}}付で発送いたしました書類が、宛先不明のため返送されました。
お手数ですが、下記内容をご確認ください。
- ご住所(郵便番号を含む)
- 建物名・号室
- 宛名表記(会社名・部署名 等)
ご確認の上、正しい宛先情報を返信いただけますと幸いです。
② 不在で返送された場合
件名:再配達および再発送のご案内(発送ID:{{発送ID}})
{{発送日}}にお送りした書類が不在持戻りのため返送されました。
ご不在期間・再発送希望日をお知らせください。
再発送は1週間以内を目安に対応いたします。
③ 破損・汚損による再発送
件名:書類の再送(破損対応)について(発送ID:{{発送ID}})
{{発送日}}にお送りした書類が輸送中に破損していることが判明しました。
本件は新しい封筒で再発送いたします。内容に影響はございません。
お手元到着まで数日お待ちください。
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補償制度と梱包見直しのポイント
郵送トラブル時の補償範囲(主要3サービス)
| サービス | 補償金額 | 破損対応 | 再発送費 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 書留郵便 | 実損額(上限1万円〜) | あり | 差出人負担 | 原本送付に最適 |
| 特定記録 | なし | なし | 差出人負担 | 追跡のみ |
| レターパックプラス | なし | なし | 差出人負担 | 優先配達・追跡あり |
梱包見直しポイント
- 封筒の厚みは2〜3mm余裕を確保
- 角2サイズ+厚紙台紙+耐水封筒で強度アップ
- 緩衝材入り封筒で端部の折れを防止
- ラベルは中央寄せ+余白対称で読取精度向上
返送を防ぐ“前段対策”で損失ゼロへ
- 宛名統一ルールを策定:「株式会社」「(株)」を統一。
- フォームで宛先入力チェック:Googleフォーム+郵便番号自動補完を設定。
- 配送履歴の共有化:スプレッドシート+追跡番号連携で可視化。
- 梱包マニュアルの写真化:再現性のある“誰でも封入可能”な手順書。
- 返送時コストを明確化:1件いくら損失になるか月次で集計。
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発送トラブルは「1件=10分のロス+再送コスト」で累積的に効率を下げます。
再発送を防ぐ最大の方法は、事前検証と記録の一元化。
宛名テンプレート+台帳+梱包マニュアルの3点を整えるだけで、返品率を50%以上削減できます。
業務効率化は、単なる時短ではなく時間当たり報酬単価の底上げに直結します。




