行政書士試験の勉強法ロードマップ|試験の時間配分と解答アルゴリズム

目次

結論:順番と手順(アルゴリズム)を“自分用”に固定する

  • 回答順番の型をつくる
    • 得意先行型(得意分野→記述→苦手)
    • 安定走行型(設問順)
    • 記述先行型(記述が伸びる人)
  • 択一設問のアルゴリズム
    1. 先読み(設問が何を聞いているか1行で把握)
    2. 設問分解(論点と要件にチェック)
    3. 消去法(誤りパターンを先に潰す)
    4. 1分ルール(迷ったらマーク→後回し)
  • 記述設問のアルゴリズム
    1. 配点を取り切る2ステップ(骨格作りと要件から結論へ)
    2. 記述のテンプレを意識
    3. 字数配分の目安を決めておく
    4. NGを防ぐチェック

“完璧な1問”より“7割の取り切り”が大切!


ブロック2|時間配分のモデル(模試で“自分版”に調整)

まずは下のいずれかで模試を回して、自分の型に微調整してください。

A. 得意先行型(得意分野→記述→苦手)

得意な択一(例:基法・憲法・行政法)55分1分ルールで滞留回避。確信度◎だけ先に確保
記述25分骨子→要件→当てはめの順で先に骨を置く
多肢選択15分判別できる空欄から埋め、分からない箇所は一旦飛ばす
苦手な択一(例:民法・商法)45分迷いは1分でマーク、後半の時間配分に応じて見直し
基礎法学・一般知識30分知っているものから素早く回収
見直し10分マークずれ・計算・記述の日本語だけ

B. 安定走行型(設問順)

択一95分1分ルールでテンポ維持
多肢選択式15分判別できる空欄から埋め、分からない箇所は一旦飛ばす
記述25分骨子→要件→当てはめで構成先行
基礎法学・一般知識35分知っているものから即回収
見直し10分マークずれ・計算・記述の日本語だけ

C. 記述先行型(記述が伸びる人)

記述30分骨子→要件→当てはめ、序盤の思考鮮度を最大活用
択一95分1分ルールでテンポ維持
多肢選択式15分判別できる空欄から埋め、分からない箇所は一旦飛ばす
基礎法学・一般知識30分知っているものから即回収
見直し10分マークずれ・計算・記述の日本語だけ

モデルは叩き台。模試で「どこが詰まったか」を記録し、±5分単位で配分を動かして完成させます。
模試で試行錯誤し、自分の型をつくること。

解答アルゴリズム

択一の解答アルゴリズム

0)見出し先読み(2–3秒)
 設問が「定義・要件・効果・判例基準」のどれかを即判定。迷ったら後回しマーク△だけ付ける。

1)設問分解(5–10秒)
 問われている要素を最少語でメモ
 例)「処分性/不利益処分/聴聞 or 弁明/除外要件」。

2)正解候補の“核”を先に作る(10秒)
 「絶対に入る語」を1〜2個だけ確定(条文番号・キーワード)。
 例)不利益処分→聴聞/弁明、取消要件→違法+重大性 等。

3)消去法(30–40秒)
 誤りパターンを機械的に潰す。
  断定過多:「常に」「一切」「必ず」は要注意
  逆向き:趣旨・目的を逆にした肢
  混ぜ技:正しい文×1+誤り×1の抱き合わせ
  数字トラップ:期限・割合・日数の入替

4)1分ルール(上限60秒)
 確信◎が無ければ△マークでスキップ。点の薄い1問より、次の1問で確実2点

5)見直しで回収(試験終盤10分)
 △だけ再判定。初回の直感と矛盾しないか、選んだ肢の根拠語が本文にあるかを確認。

マーク運用(答案用紙の余白に)
 =即答(根拠明確)/=多分正解/=後回し/×=読み間違い注意
 → 見直しは△→○の順に触れる。◎は触らない(変更ミス防止)。

記述の解答アルゴリズム“骨子テンプレ”で時短

配点を取り切る2ステップ
 A:骨子を20〜40秒で置く
 B:要件→当てはめ→結論で肉付け

骨格のテンプレ
 論点提示:何の問題か一言(例:処分性の有無/債務不履行の要件)
 要件列挙:A・B・C(キーワードだけ。条文番号があれば添える)
 当てはめ:設問事実をA/B/Cに対応づけ(因果語:よって/したがって
 結論:端的に(肯定/否定+理由語1つ)

  • 字数配分の目安(1問あたり)
    • 骨子 2行(10–15秒)
    • 要件 3〜4行
    • 当てはめ 3〜5行
    • 結論 1行
      長文は減点リスク要件語の脱落防止>文章美
  • NGを防ぐチェック(最後の30秒)
    • 主語・述語のねじれなし
    • 条文や要件語が最低1つ入っている
    • 結論が**設問要求(可否・該当性)**に答えている

長文は減点リスクであり、差をつけられる得点源
まず要件語を落とさないことが最優先。

模試で時間配分の戦略建て

  • Before(開始前2分):配分を答案用紙にメモ
    • メモの例(本番の時間帯も想定)
      択一 95分(14:35)
      多肢 15分(14:50)
      記述 25分(15:15)
      一般 35分(15:50)
      見直 10分(16:00)
  • During
    • 各セクションの開始・終了時刻を余白に書く
      ⇒時間に余裕か遅滞かを常に把握する
    • 迷いは△マーク。
      ⇒見直し時間に確認する
  • After(自己採点後)
    • 滞留した問題を特定(憲法Q3、民法Q7など)
    • 配分を±5分で再設計(例:民法+5、記述-5)
    • 1分ルール違反数見直し実働分を記録(見直しが5分未満ならどこかで滞留)
  • KPI:見直し10分確保率100%1分ルール違反0~2問

3時間は長丁場。後半の集中切れが当たり前だと想定し、試験期間中にも戦略を立て直す。模試で時間配分の訓練をしておきましょう!

当日の運用チェックリスト

  • 開始前
    • 時計や文具の位置
    • 時間配分メモ
    • 水分・ブドウ糖(小)
  • 択一確信◎→先回収、迷いは1分で△。語尾・断定語に注意。
  • 記述骨子→要件→当てはめ。空欄回避(最低限の結論は必ず書く)。
  • 見直し(10分)
    • マークずれ/計算/記述の主語・述語のズレ
    • △だけ素早く再判定(新たな迷いは最初の直感を信じる)
  • 心拍の管理:45–60分おきに10秒だけ視線を外す(ミクロ休憩)。
    焦りを感じたら深呼吸3回で常に平常心を意識する。
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この記事を書いた人

地方在住の行政書士。令和4年の開業以来、事業者・不動産関連の許可申請を中心に、年間150件以上の案件に対応。ひとり事務所ながら、スピードと信頼性を両立した実務力で、地域の信頼を獲得。
「行政書士|ツールラボ」監修

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